株価上昇 2003年11月16日
バフェットの銘柄選択術シリーズ
基準8 内部留保利益の再投資による利益が、株価上昇につながっているか?
私が思うにこれは基準6をクリアした企業の「株価が上昇しているか?」を調べる事に
よって、内部留保利益の再投資の有効度を確認する作業と考えればよいと思います。
再投資が株価上昇につながっているという事は、
再投資が上手くいっている=>企業の儲けが増える=>市場に評価される=>株価が上がる
という事になりますからね。しかし、どんな優秀な企業でも市場で人気がなければ
「見捨てられて株価が長期間低迷」
してしまう場合がありますので御注意を!
(いじめられっ子の「よっちゃん株」の状態と憶えましょう。人気については「野球カード」の話を思い出して下さい。)
「本源的価値」に株価が追いつくのに時間がかかる場合には、パフォーマンスが低下しま
す。そのような可能性を少なくする補完的な確認作業だと思います。
ただ、株価の推移だけで銘柄を選んではいけません。
長期投資では「株価の推移」を見るよりも「本源価値」を見るほうが大切です。
この基準8は基準6と重複する事が多いです。よって基準8の説明はここまで。
さて、1から8までの基準をクリアする企業を見つけた場合の注意です。
(まぁ見つからないと思うけどね、見つけた方はメール下さい)
バフェット様は「消費者独占型企業」(いけてる企業)であっても、
「企業の価値や収益力に対して株価が安くなければ買ってはならない」
と口が酸っぱくなるほど何度も警告しておられます。流石はグレアム様の一番弟子と言うだ
けあって、
「割安」には「銀バエ」のようにうるさいようです。
では、何故「企業価値に対して株価が安くなければ買ってはいけない」のでしょうか?
例えば、あなたが未来を予知する超能力があり5年後に、株価が必ず10000円になる
大変優秀な企業の株を二つ知っていたとします。
一方が「ムネ商事」もう一方が「マーキー商事」としましょう。
そして、「ムネ商事」の現在の株価は5000円、一方の「マーキー商事」の株価は1000円だとしま
す。そして、この二つの企業の経営者は両方とも天才経営者で両社の株式本源価値
は同等だとします。(二つの企業の実力は同格だという意味)。
さて、あなたはドチラか一方の株を選んで買わなければいけません! どちらを選びますか?
もちろん「マーキー商事」ですよね?
今1000円の株価が5年後に10000円になるのであれば
10000ー1000で9000円儲けられますからね。
「ムネ商事」を選んだ場合には5000円しか儲かりません。
これを利回りとして計算する場合の計算式は
(五年後の株価/現在の株価)^(1/保有年数)-1 となります。
(初心者の方へ 数式なんてモノは実際に株を購入してゼニがかかればイヤでも憶えます。
ですから、今、無理に憶える必要はありません。気楽に行きましょう読み飛ばして構いません。)
では「ムネ商事」の場合には
(10000/5000)^(1/5)-1=0.14 となり年利回りは14%となります。
では「マーキー商事」の場合には
(10000/1000)^(1/5)-1=0.58 となり年利回りはなんと58%にもなります。
バフェット様は株式を「擬似債券」(株は借金の証文ではないが、
借金の証文と考える事)と考えますので当然、高い利息を払ってくれる「マーキー商事」の株を買
うのです。
注意 上記の例え話に登場した「ムネ商事」「マーキー商事」は架空の会社であります。「ポルシェへの道」のムネ様と
「makkyのいちからはじめる株式投資」のmakky様とは一切関係がございません。
そして、例え話の利回りが「マーキー商事」の方が優れているのは、偶然であり管理人の「贔屓」では決してありません。
うーん、分ったかな?? 数字と計算式の羅列はこのサイトの主義に反するのですが、
これ以上に分り易い説明は表現力の乏しい私には無理です。
でも今、スグに理解しようとしなくて大丈夫です。
人間は「自分のゼニがかかれば何でも一生懸命になる」ものです。
例えば、「スケベオヤジ」が飲み屋で口説いているネェちゃんに、
しつこく執着して嫌われている場面を想像して下さい。
オマエにいくら「ゼニ」を貢いだと思ってんだ!!
そろそろ落ちてもイイだろ!! 元を取らせろ!!
(絶対に私の実話ではありません)
と叫んでいる状況です。
ゼニがかかっているから、、真剣に必死に未練がましくするのです。
まぁ、その気持ちは理解できるけど、男は引き際が肝心ですからね。
これを株に例えれば、株を実際に買った人は真剣に必死に株の事を勉強するのです。
損したくないからね。
本当は買う前に勉強しないといけないんだけどね。
今日の一言
グレアムの著書に書かれている重要な事
は必ず憶えて下さい。でも数式に時々出てくる
「ベータ」とか「シグマ」というヤツは無視してかまいません。
ウォーレン・バフェット
バフェット様は 簡単な事を難しく考えるな! と言ってるんですね。