自社株買い戻し 2004年 1月15日
バフェットの銘柄選択術シリーズ
自社株買戻しが株主価値を増加させるカラクリ
バフェット様は株主になると、その企業の取締役会に対して
自社株買戻しをしてちょ!! と働きかける。
まぁ、バフェット様に頼まれたともなれば取締役会も無視はできませんね。
これを私が株主総会で取締役会にお願いしても・・・
あっそ!! 貴重な御意見ありがとう!! でおしまい!!
ですから、自社株買戻しを気にするのであれば積極的に行う会社を見つけなくてはならな
い。目を付けた企業が「自社株買戻し」をするのかは企業のサイトを見れば分る。
IRのところをクリックすれば、たいていは分る。
サイトを見ても分らない場合は、企業のIR担当部(総務部)に電話して聞けばよい。
あのさぁ オタクは自社株買戻しすんの??
まぁ私は、こんな初歩的なことを聞いたことは一度もないから答えてくれるかは知らん!!
そのくらいは検索エンジンで調べれば済む話だしね。
でも、分らない箇所は電話して企業に聞くという姿勢は大切である。
企業に投資する前に、「電話してみる」「近くなら行ってみる」これは大切だよ。
こんな私を、珍しい・・・とか行動派だね・・・と言う人が時々います。
じゃぁ逆に聞くけど アンタは一度も電話したこともない会社に
命より大切なゼニを貸すの??
株式投資=企業にゼニを貸す なんだからね。
ちょっと話がずれたね、話を戻すよ!!
「自社株買戻し」が株主価値を増加させるカラクリを説明します。
さて、会社は株主のモノであるから当然・・・
株主は株式持分に応じて分け前をもらう権利がある!!
ということは・・・
発行済み株式数がひ・と・か・ぶであり、その一株をアンタが
保有していた場合には、会社の利益は全てアンタのものと言える。
まぁ、実際にはこんなケースはありえないが、頭を整理するにはこのように考える。
これをもっと複雑にすると下記のようになる。
発行済み株式数が5株(株主5人)で、今期利益が500万の会社があったとする。
株式の時価は1000万円とする。
もしも、利益の全てを配当金にした場合には・・・
株主一人につき100万円(500/5=100)の分け前がもらえる。
株主は時価1000万の株を保有することによって100万の分け前がもらえる。
1000万を元手に100万儲かったことになる。
これを難しい言葉で言うと「株式益回り」である。数式で表すと 100万/1000万=10%となる。
PERの場合には 1000万/100万=10 でPERは10となる。
では、株主の一人が自分の株式を会社に引き取ってもらった(自社株買戻し)とすると・・・
発行済み株式数は4株(株主4人)に減る。
注 「会社に引き取ってもらった=他の4人の株主に引き取ってもらった」と考えると分り易い。
もし、この会社が来年も500万の利益を上げた場合、一人につき125万円(500/4=125)の
分け前がもらえるという事になる。
という事は・・ 1000万を元手に125万円の分け前がもらえるということになる。
さっきの難しい言葉である「株式益回り」で表すと 125万/1000万=12.5%となる。
PERの場合には 1000万/125万=8 でPERは8となる。(EPSが増加する)
PERの意味が分らん人はPERは低い方が良いのだ!!と憶えてね。
このようにして自社株買戻しは株主価値を増加する効果があるのです。
企業の買い戻しに応じた株主は、売却益を受け取ることができますし、
そのまま保有する株主は追加資金なしで持ち株比率を高める事ができるのです。
では、「株主価値の増加」より売買による鞘取りに興味のある方の為に・・・・
自社株買戻しを行う企業の株価が上昇する仕組みを、いい加減に説明します。
企業が自社株買戻しをする。
発行済み株式数が減る。
(分け前を分配する人数が減るので一人あたりの分け前が増える)
株式益回りが上がりPERが下がる。
(ヤフーファイナンスや株式の新聞を見ていた人が気が付く)
こりゃ割安だ!! 御買い得だ!!
と多くの人が思い買いたいと思う。
しかし、発行株式数が減少しているために
需給の関係で株価は高くなる!!
この高くなった株価で売却すれば売却益を手にすることができるし、
そのまま保有し続ければ株主価値(分け前の権利)が増加する。
ねっ? 得をしたでしょう?
自社株買い戻しとは会社が今まで投資をしてくれた人に利益を返すことなのです。
自社株買い戻しとは何て素晴らしいんだ!!
これだけをマークしていれば儲かるかもしれない!! って思う方はいますか??
ご安心ください。チャンと落とし穴が用意してあります。
自社株買い戻しは無条件で株主価値が増加するとは限りません。
自社株買戻しのニュースにダボハゼのように飛びつくと失敗するケースがあります。
株式投資とは企業を保有することであり、本源価値よりも鞘取りを重視すると失敗いたしま
す。次回のバフェットシリーズで、それを詳しく説明します。
今日の一言
新しく手に入れたいものですか?
そうですねぇ、ちょっと思いつきません・・
ウォーレン・バフェット